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2011. 02. 04  
なかなかアップできなくてすみません。
自分が思ったいるよりもっと多くの人にこのブログを楽しみにしていただいているようで、「楽しみにしていますよ」というコメントをいただいています。


さて、A32というクローンを候補として確保した後、結局もうひとつ候補(B33)ができました。
しかし、いろいろ検証した結果、B33はアキシンと結合しないタンパクという事がわかったので、僕の研究はA32と心中ということになりました。


A32は全く未知な(すべてのアミノ酸配列もわかっていない)タンパクだったので、まずはA32の全アミノ酸配列を同定することから始まりました。
未知なタンパクというのはすごくミステリアスな雰囲気ですが、誰も知らないタンパクですので、この「全アミノ酸配列を同定する」ということは大変です。今の時点でも、すべてのタンパクを人類が知っているというわけではないんですよね、意外と。
タンパクのアミノ酸配列の断片が無数に含まれている「ライブラリー」の中から、A32と重複する断片を集めて来てそれを継ぎ足してすべての配列を決定します。


すべてのタンパクのアミノ酸配列の最初のアミノ酸は、「メチオニン」というアミノ酸なんです。
これは、すべてのタンパクに共通なのですが、メチオニンはタンパクの途中のアミノ酸配列にも沢山出てきますから、どれが最初のメチオニンかわからないですよね。
ただ、最初のメチオニンのちょっと前にはポリAと呼ばれる特徴的なアミノ酸配列がたいていあるので、ポリAが出てくれば、そのタンパクの最初のメチオニンが同定できる、ということになります。


そうこうして、半年ぐらいかけてようやくA32のすべてのアミノ酸配列を決定しました。これだけでトータル1年間かかっているわけですが、これだけで大学院を修了できるいほど甘くはありません。
その新規たんぱく質A32の機能解析が出来なければ大学院を卒業は出来ないのです。
指導していただいていた講師の先生に、
「もしA32の機能解析が出来なかったら、この研究はどうなりますかね?」
と聞いてみましたが、あっさり
「最初からやり直しになるじゃろうね」
と言われました。


ここまできて「やり直し」はきついなあ、と思いながら、このA32はどんなタンパクだろう、といろいろ思いをはせていました。
タンパクの3次構造などを解析するソフトもありますし、特徴的なアミノ酸配列(モチーフと呼びます)を検索するソフトもありますから、そのタンパクのアミノ酸配列を入力すればたいていのタンパクの性質はわかってくるものです。
しかし、A32はその時点ではまったく特徴的なモチーフを持っておらず、わずかに核内移行シグナル核外移行シグナルをもっているタンパクである、ということしかわかりませんでした。


それでも、なんとか機能解析らしきものをすませ、最初の論文投稿までたどり着いたのが、大学院の2年生半ばくらいでした。
「これでなんとか博士号はもらえそうだから、3年で卒業して外科に戻れるなあ」
と安堵していた冬のある夜、またまた自分の人生を変えるような出来事が突然起きたのでした。
それは、先ほど説明したA32のモチーフ検索を行っていた(教授からは、新規タンパクなので、2週間ごとにモチーフ検索を行うようにと言われていた)時でした。
いつものような結果が出てくると思いながら出てきた結果を見てみると、見慣れない新しく登録されたモチーフが出現してきていました。


「A32は脱SUMO化酵素である」

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